こんにちは!行政書士の栗原です。
「コンカフェをやりたいけど、風営法って取らないとダメですか?」
「ガールズバー、深夜営業の届出だけで始めちゃマズいですか?」
これ、本当によくいただくご相談です。
「風営法(風適法)」と聞くと、なんだか警察に厳しく監視されるような、ちょっと怖いイメージをお持ちかもしれません。できれば避けて通りたい…そう思う気持ち、痛いほど分かります。
私が「遊べる本屋」の店長だった頃、お店のコンセプトを守るために、消防法や建築基準法といった様々なルールと格闘してきました。その経験から断言できることがあります。
「法律は、あなたのお店のコンセプトを守るための『最強の鎧』である」
もし、あなたがキャストとお客様が楽しく会話したり、チェキを撮ったり、一緒にゲームをして盛り上がるお店を作りたいなら、この鎧を装備せずに戦場(開業)に出るのはあまりに無謀です。
今回は、ガールズバーやコンカフェの開業において避けては通れない「風営法」の壁を、どうやって乗り越え、味方につけるか。その手続きや費用について、元店長行政書士が分かりやすく解説します。

「深夜営業(酒類提供)」と「風営法(1号許可)」の決定的な違い
まず、ここを間違えるとアウトです。
ガールズバーやコンカフェには、法律上大きく分けて2つの営業スタイルがあります。
- 深夜酒類提供飲食店(深夜営業):いわゆる「バー」。朝まで営業できるが、接待はできない。
- 風俗営業1号許可(社交飲食店):いわゆる「キャバクラ・スナック」。接待ができるが、原則深夜0時(地域により1時)までしか営業できない。
警察が見る「接待(せったい)」のラインとは?
「うちはキャバクラ(風俗営業)じゃないから、深夜営業の届出だけでいいや」
そう思って開業し、警察の指導が入るケースが後を絶ちません。
特にガールズバーやコンカフェの場合、以下の行為が「接待」とみなされる可能性が高いです。
- 【ガールズバーの注意点】特定のお客様との継続的な会話「カウンター越しなら接待じゃない」というのは間違いです。たとえカウンター越しであっても、特定のキャストが特定のお客様の前にとどまり、継続的に談笑する行為は接待とみなされます。
- 【コンカフェの注意点】チェキ撮影やお絵かきオムライスにお絵かきをしたり、チェキ撮影のために席に座り込んで会話したりする行為も、サービスの一環としての「接待」に当たります。
- 【共通】一緒に遊ぶ行為カラオケでデュエットをする、ダーツやゲームを一緒にプレイする、タバコに火をつけるなどの行為もNGです。
もし、あなたの作りたいお店のコンセプトが「キャストがお客様と一緒に遊んで世界観を楽しむ店」なら、飲食店営業許可だけでなく、警察署への「風俗営業許可申請」が必要になる可能性が非常に高いです。
逆に、深夜営業の届出だけで済ませたいなら、「キャストはあくまで給仕係やバーテンダーとして、淡々と業務を行うだけ(密接な会話や遊びはなし)」というスタイルを徹底しなければなりません。
▶ご参考:警察庁 – 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
許可を取るには?絶対に外せない「場所」と「人」の条件
「よし、風営法の許可を取ろう!」と決めても、どこでも取れるわけではありません。ここが一番難しいポイントです。
1. 場所の壁(用途地域 + 保全対象施設)
これがクリアできないと、どんなにお金があっても許可は下りません。
① 用途地域(エリアの制限)
日本の街は、無秩序に建物が建たないよう、「住むためのエリア」「遊ぶためのエリア」「工場のためのエリア」といった具合に、法律で色分けされています。これを「用途地域」と呼びます。
風営法の許可を取るには、その場所が「賑やかな商業エリア」である必要があります。
- 商業地域・近隣商業地域など:OK
- 住居地域:原則NG(※マンション等の建物自体がNGなのではなく、その土地が「住居地域」という区分に指定されていたら、たとえ駅前でも営業できません)
② 保全対象施設からの距離(距離制限)
次に、お店の周囲(商業地域なら概ね50m以内など)に、静かな環境を守るべき以下の施設があってはいけません。
- 学校・図書館・児童福祉施設(保育園など)
- 入院施設のある病院・診療所※ここがポイント! 街の歯医者さんや皮膚科でも、**「入院ベッドがない(無床)」診療所であれば、距離制限の対象外(セーフ)**であることがほとんどです。
「すぐ近くにクリニックがあるから諦めていたけど、調べたら入院施設がなかったので開業できた!」というケースは多々あります。
2. 人(欠格事由)の壁
申請者や管理者が、過去5年間に風営法違反や刑法犯などで処罰されていないことなどが条件です。また、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者も該当します。

申請の流れと、気になる費用の目安
では、実際に許可を取るための流れと、どれくらいの費用がかかるのかを見ていきましょう。
手続きのステップ
- 物件調査:契約前に場所の要件をクリアしているか徹底的に調査。(ここが最重要!)
- 内装工事:風営法の構造基準(客室の面積、仕切りの高さ1m以下、照度など)に合わせて工事。
- 飲食店営業許可の取得:まずは保健所へ申請し、許可を取ります。
- 食品衛生責任者の選任:資格を持つ人を配置します。
- 風俗営業許可申請:管轄の警察署(生活安全課)へ書類を提出。
- 実査(浄化協会・警察):店舗にお客さんが入るのと同じ状態で、図面通りか厳しくチェックされます。
- 許可証交付:申請から約55日(標準処理期間)で許可が下ります。
申請してから許可が下りるまで、約2ヶ月かかります。その間は営業できません。この「空家賃」が発生する期間も計算に入れて準備する必要があります。
費用の目安(行政書士に依頼する場合)
風営法の申請で最も大変なのは、「図面作成」です。これをどこまで依頼するかで費用が変わります。
以下は、横浜市・神奈川県で行政書士にフルサポート(調査・測量・図面・申請)を依頼した場合の標準的な相場です。
| 項目 | 費用の目安 | 内容 |
| 申請手数料(証紙代) | 約24,000円〜 | 警察署へ支払う実費(都道府県による) |
| 保健所許可申請 | 約18,000円〜 | 飲食店営業許可の手数料 |
| 申請代行報酬 | 150,000円〜 | 書類作成・警察署との折衝・提出代行 |
| 測量・図面作成報酬 | 100,000円〜 | 現地測量とCAD図面作成 |
| 合計 | 約30万円〜 |
「高いな…」と思われるかもしれません。
しかし、風営法の図面(求積図、照明配置図、音響配置図など)は、1センチの狂いも許されない厳しいものです。特に横浜市(神奈川県警)は図面チェックが厳格で有名です。
これを自力でやろうとして何度も警察署で突き返され、オープンが数ヶ月遅れてしまう「家賃のロス」を考えれば、最初からプロに任せて最短で許可を取る方が、結果的にコストは安く済むことが多いのです。
▶ご参考:横浜市保健所 – 食品衛生責任者について
まとめ:ルールを守ることは、あなたの「世界観」を守ること
風営法の許可を取ることは、決して楽な道のりではありません。条件も厳しく、手続きも煩雑です。
しかし、この許可さえ取ってしまえば、あなたは堂々と、キャストとお客様が笑顔で交流できる「最高のコンセプト(世界観)」を実現できます。ビクビクしながら営業する必要はありません。
私が店長時代に学んだこと。それは「ルールという土台がしっかりしているからこそ、その上で思いっきり遊べる」ということです。
もし、横浜市や神奈川県内、東京都内などの首都圏で、こだわりのガールズバーやコンカフェを開きたいと考えているなら、ぜひ一度ご相談ください。
物件選びの段階から、「この場所ならあなたのやりたいお店が作れるか?」を一緒に考え、夢の実現をサポートさせていただきます。

お店の種類や状況によって必要な準備は様々です。「この物件で許可は下りる?」「深夜営業と風営法、どっちがいいの?」など、具体的なご相談やご不安な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。横浜市を中心に、あなたの「夢の城」づくりを全力で応援します。







