「フリマアプリで月5万円!これって続けて大丈夫?」 「自分のセンスで選んだ古着を売るお店、やってみたいな…」 「本格的に『せどり』を始めたいけど、何だか怖い…」
その「やってみたい!」という気持ちと、法律のルールの間で、モヤモヤを抱えていませんか?
こんにちは!元「遊べる本屋」店長の行政書士、栗原です。私が店長だった頃、お店の魅力は「何が飛び出すかわからない面白さ」でした。そのためには、新刊の本だけでなく、個性的な雑貨、味のある古書、時には古着まで、あらゆる場所から「仕入れ」てくる必要がありました。しかし、この「仕入れ」、実はビジネスの成功と法律のルールが交差する、非常に重要なポイントなのです。
そこで今回は、あなたのビジネスの世界がガラリと変わる「古物商許可」に焦点を当てます。「古物商許可がないと出来ないこと」と「古物商許可があると出来ること」をスッキリ比較して、あなたの「やってみたい!」が合法的に実現できるのか、一緒にチェックしていきましょう!

【一目瞭然】許可なし vs 許可あり!あなたの現在はどっち?
まず、最も重要な違いを比較表で見てみましょう。この表だけで、「古物商許可がないと出来ないこと」がいかにビジネスの根幹に関わるかがお分かりいただけるはずです。
比較ポイント | ▲ 古物商許可が【ない】場合 | ◎ 古物商許可が【ある】場合 |
仕入れ | 【出来ない】 ・転売目的で中古品を買い取ること ・古物市場(業者オークション)への参加 | 【出来る】 ・リサイクルショップやフリマアプリなどから、ビジネスとして堂々と商品を仕入れられる ・プロが集まる古物市場で安く大量に仕入れられる |
販売 | 【出来ない】 ・「仕入れた」中古品を販売する営業活動 (自分の不用品販売はOK) | 【出来る】 ・仕入れた商品を販売するビジネスが可能 ・商品を修理・リメイクして付加価値をつけて販売できる |
事業の幅 | 【限定的】 ・自分の私物の処分のみ | 【無限大】 ・本格的なせどり事業 ・古着屋やアンティークショップ等の開業 ・レンタルや海外輸出など多様なビジネス展開 |
社会的信用 | 【低い】 ・常に無許可営業のリスクと隣り合わせ ・ビジネスとしての信頼を得にくい | 【高い】 ・法律を守る事業者としての社会的信用 ・お客様の安心感につながる ・金融機関からの融資にも有利に働く可能性 |
いかがでしょうか。このように、許可の有無は単なる手続きの問題ではなく、あなたのビジネスの可能性そのものを左右するのです。
なぜ?「仕入れ」が運命の分かれ道になる理由
「なぜ自分の不用品を売るのは良くて、仕入れて売るのはダメなの?」 これは、古物営業法の根本に関わる大切なポイントです。
なぜなら、この法律の最大の目的は「盗品の流通防止」だからです。あなたが「転売目的で中古品を買い取る(仕入れる)」という行為は、もしその品物が盗品だった場合、犯罪に加担してしまう入り口になりかねません。そのため、法律は「中古品を仕入れてビジネスをする人」に、身元を明らかにし(許可)、ルールを守る(本人確認や帳簿付けなど)ことを求めているのです。
つまり、「古物商許可がないと出来ないこと」の核心は、ビジネス目的で中古品を買い取る仕入れ行為にある、と覚えておいてください。
世界が広がる!「古物商許可があると出来ること」の具体例
一方で、「古物商許可があると出来ること」は、あなたのアイデア次第で無限に広がります。
プロのバイヤーとして活動できる
リサイクルショップのセール品を狙ったり、マニアが集まるイベントに足を運んだり。日本中のお店や場所が、あなたの「仕入れ先」という名の宝の山に変わります。プロの業者だけが参加できる「古物市場」への扉も開かれ、一般には出回らないような商品を安く仕入れるチャンスも生まれます。これは、古物商許可がないと出来ないことの典型例です。
自分だけの「お店」という夢が叶う
私の「遊べる本屋」のように、自分のセンスや世界観を表現したお店を持つことができます。古着、アンティーク、中古レコード、古書…どんな品目でも構いません。自宅を営業所としてネットショップから始めることも、もちろん可能です。あなたの「好き」が詰まった空間を作る。これこそが、「古物商許可があると出来ること」の最大の魅力かもしれません。
ビジネスの信頼度が格段にアップする
「古物商許可があると出来ること」は、直接的な売買だけではありません。許可証を掲示し(標識)、ウェブサイトに許可番号(URLの届出も必要)を記載することで、「私は法律を守って営業するクリーンな事業者です」という何よりの証明になります。これはお客様に安心感を与え、結果的にビジネスの成長に繋がる、非常に大きな力です。
「できる側」になるための最短ルートとは?
では、どうすれば「古物商許可があると出来ること」を実現できるのでしょうか。申請と聞くと難しく感じるかもしれませんが、手順は意外とシンプルです。
1.相談する場所を知る: まずは、あなたのビジネスの拠点(営業所)を管轄する警察署の生活安全課に相談しましょう。
▶ ご参考:神奈川県警察 警察署一覧
2.条件を確認する: 過去の犯罪歴など、法律で定められた許可が受けられない条件(欠格事由)に当てはまらないか確認します。
▶ ご参考:e-Gov法令検索 古物営業法 第四条
3.書類を準備する:住民票や身分証明書、略歴書といった書類を集めます。自分で十分に準備可能なものがほとんどです。
▶ ご参考:警視庁 古物商Q&A
4.警察署へ申請!:書類一式と手数料(19,000円 ※2025年7月現在)を持って、窓口で申請手続きをします。
このように、手順を踏めば個人でも十分に申請は可能です。
まとめ:その許可は、あなたのビジネスを守る「盾」であり、未来を拓く「矛」である
今回は、「古物商許可がないと出来ないこと」と「古物商許可があると出来ること」を比較してきました。 改めて言うまでもなく、「古物商許可がないと出来ないこと」は、中古品ビジネスの根幹をなす「仕入れ」そのものです。そして、許可は単にそれを可能にするだけでなく、ビジネスの幅を広げ、社会的信用という大きな力を与えてくれます。
それは、あなたのビジネスを無用なリスクから守る「盾」であり、あなたの夢やアイデアを形にするための「矛」でもあるのです。この記事が、あなたの世界の扉を開くきっかけになれば、これほど嬉しいことはありません。
あなたの「やってみたい!」がどのケースに当てはまるのか、また、申請手続きに具体的なご不安があるなど、個別のご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。あなたの新しい挑戦を、全力で応援させていただきます。
【ご注意】 この記事は、2025年6月時点の情報に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されたものです。個別の事案に対する法的アドバイスではありません。古物商の許可申請にあたっては、必ず最新の法令・条例をご確認の上、必要に応じて管轄の行政機関や専門家にご相談ください。