メルカリで中古品販売を始めるなら!メルカリShops利用と「古物商許可」の必須知識

こんにちは!元「遊べる本屋」の店長で、現在は横浜市を中心に、神奈川県内・東京都内で事業者の皆様をサポートしている行政書士の栗原です。

スマートフォン一つで手軽にモノを売買できる現代。自分が目利きした中古品を仕入れて販売するネット物販やリユースビジネスは、お店作りのワクワク感を手軽に味わえる素晴らしいビジネスモデルです。 しかしながら、いざ本格的にビジネスとしてスタートしようとしたとき、必ずぶつかるのが「ルール」の壁です。

今回は、私が普段手続きで回っている神奈川県内の警察署での実例なども交えながら、メルカリで古物の商売を行う際に絶対に知っておくべき、プラットフォームの規約と古物営業法の関係についてお話しします。

通常メルカリとメルカリShopsの違い

「家にある不用品を売る」のか、「利益を出すために仕入れて売る」のか。この目的の違いによって、メルカリが定めるルールは大きく異なります。

通常のメルカリは個人の不用品向け

メルカリの公式ガイドを確認すると、通常のメルカリはあくまで個人間の物品売買の場として提供されています。 したがって、利益を得る目的(営利目的)で中古品を継続的に仕入れて販売するような、事業としての利用は想定されていません。規約上、営利目的での利用が認められた場合、アカウントの利用制限などがかかる可能性があります。

事業として売るならメルカリShops

一方で、本格的に商売をしたい事業者のために用意されているのが「メルカリShops」です。ご自身がお店として利益を目的に中古品を販売していくのであれば、こちらを利用することが求められています。 さらに、メルカリShopsで中古品を販売する場合、法令に基づき古物商許可の取得が必須となります。

▶ご参考:メルカリガイド – 古物商許可について (https://help.jp.mercari.com/guide/articles/1856/

メルカリShopsを利用するメリットとデメリット

「古物商許可を取ってまでメルカリShopsにする意味はあるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。ここで、事業者としてメルカリShopsを利用するメリットとデメリットを整理しておきましょう。

【メリット】

  • 堂々と事業展開できる: 規約違反を心配することなく、事業者として大手を振って販売活動に専念できます。
  • 便利な店舗運営機能: 在庫の一括管理や、色・サイズ別の登録、スタッフアカウントの作成など、商売を拡大するための機能が充実しています。
  • 集客力の活用: メルカリの巨大な顧客層に対して、タイムセール機能などを使ってお店をアピールできます。

【デメリット】

  • 開設に審査がある: 古物商許可証の画像提出など、開設にあたって厳格な審査を通過する必要があります。
  • 事業者の情報公開義務: 特定商取引法に基づき、氏名(名称)や住所、電話番号などを開示する必要があります。
  • 匿名配送の制限: 通常のメルカリとは異なり、配送方法によっては完全な匿名配送ができない場合があります。

このように、メルカリShopsは本格的なビジネスを展開するための強力なツールですが、その分、法令遵守の責任も重くなります。

ネットショップ運営者が気を付けるべき許可取得のポイント

利益を目的に中古品を買い取って販売するビジネスを行うためには、事業所を管轄する都道府県公安委員会の古物商許可が不可欠です。

古物商許可の全体的な申請手順については他の記事でも解説していますが、ここでは「ネットショップ(メルカリShops等)で開業する人が特につまずきやすいポイント」に絞って解説します。ご自身で準備を進める際の参考にしてください。

ポイント1:自宅を「営業所」にできるか?

メルカリShopsでビジネスを始める場合、実店舗を持たずにインターネット上だけで取引を完結させるケースが多いでしょう。しかしながら、古物営業法では事務作業や商品の保管を行う場所として、必ず「営業所」を登録しなければなりません。

多くの方が自宅を営業所にしようと考えます。ここで注意したいのが、賃貸物件や分譲マンションの場合です。 物件の契約書等で「居住専用」と定められている場合、無断で営業所として登録すると、後々大家さんや管理組合との間でトラブルになる可能性があります。実際の警察署の窓口では、賃貸借契約書のコピーの提出で済むことが多いものの、管轄の署や担当者によっては、所有者からの「使用承諾書」の提出を求められるケースもゼロではありません。ご自分で手続きを進める際に、あらかじめ確認しておきたいポイントの一つです。

ポイント2:適切な「品目」の選択

古物は法律で13の品目に分類されています(衣類、時計・宝飾品、書籍など)。 メルカリでは様々なジャンルの商品が売れるため、「とりあえず全部選んでおこう」と考えがちです。しかし、実際に関わりのない品目まで選んでしまうと、警察署の窓口で「在庫はどこに置くのか」「自動車の保管場所はあるのか」など、事業計画の具体性を厳しく問われることになります。まずはメインで取り扱う品目に絞って申請するのが鉄則です。

ポイント3:「管理者」と「欠格事由」の確認

営業所には、業務を適正に管理する「管理者」を一人置く必要があります。個人事業主が自宅で一人で始める場合は、ご自身が事業主と管理者を兼任します。 ただし、過去に一定の犯罪歴がある方や、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない方などは「欠格事由」に該当し、事業主にも管理者にもなることができません。

▶ご参考:e-Gov法令検索 – 古物営業法 (https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000108

⚠自分で申請する際の注意点:立ちはだかる「平日とローカルルール」の壁

要件を確認し、いざ警察署へ書類を提出しようとした際に、多くの方が直面する「現実的な壁」があります。

まず、管轄の警察署(生活安全課)の窓口は「平日の夕方まで」しか開いていません。事前にアポイントを取る必要があり、お仕事をされている方がこの時間帯に何度もスケジュールを合わせるのは至難の業です。

さらに厄介なのが、各警察署や担当者によって判断が微妙に異なる「ローカルルール」の存在です。 ネットで調べた全国共通のマニュアル通りに書類を揃えても、「うちの署では追加でこの証明書を出して」「ネットショップ専業なら、保管スペースの間取り図をさらに詳しく書いて」などと窓口で指摘されることが多々あります。 書類にたった一つ不備があるだけでその場では受理されず、「また書類を直して、後日有給を取って出直してください」と突き返されてしまう……というのも、実は現場ではよくある話なのです。

許可を取って終わりじゃない!ネット販売の3つの義務

無事に許可証を手にした後も、古物商として守らなければならない義務があります。

義務1:URLの届出とホームページ上の許可表示

メルカリShopsを利用する場合、ショップのURLを開設後に警察署へ届け出る義務があります。 さらに、ご自身のショップページ内に「許可を受けた公安委員会の名称」「古物商許可証の番号」「氏名または名称」を分かりやすく表示することが求められます。

▶ご参考:メルカリShopsガイド – 中古品(古物)を販売する時の注意事項 (https://support.mercari-shops.com/hc/ja/articles/900005832046

義務2:標識の掲示

ネットショップ専業で、自宅にお客様が来ない場合であっても、営業所の見やすい場所に法律で定められた様式の標識(プレート)を掲示しなければなりません。

義務3:古物台帳への記帳と保管

いつ、誰から、何を買い取り、誰に販売したのか。この取引の履歴を古物台帳に記録し、3年間保管する義務があります。万が一、警察から盗品捜査の協力要請があった場合、この記録が極めて重要な証拠となります。

まとめ:ルールを守って、楽しいお店作りを

メルカリShopsを利用して本格的なネット物販を始めるなら、古物商許可の取得は避けては通れない道です。しかしながら、これらの手続きや義務は、あなたのお店を社会的に信用される本物のお店にするためのステップでもあります。

お店の種類や状況によって必要な準備は様々です。具体的なご相談やご不安な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。あなたの理想のお店作りを、法務の面からしっかりとサポートさせていただきます。

また、「平日に何度も警察署に行く時間がない」「ローカルルールに振り回されず、自分でやる手間を省いて一発で確実に許可を取りたい」と、時間的・労力的に厳しいと感じた方は、当事務所の申請サポートもご活用いただけます。横浜・神奈川エリアの方は以下の専用ページをご覧ください。

古物商許可申請についてはこちらもご覧ください。


Warning

この記事は、2026年4月時点の情報に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されたものです。個別の事案に対する法的アドバイスではありません。古物商の許可申請にあたっては、必ず最新の法令・条例をご確認の上、必要に応じて管轄の行政機関や専門家にご相談ください。

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