【猫カフェ開業】「飲食店営業許可」と「動物取扱業」2つの許可を同時に取る方法

こんにちは!行政書士の栗原です。

可愛い猫たちに囲まれて、美味しいコーヒーを飲む…。猫好きにはたまらない、至福の空間、それが猫カフェですよね。私も「遊べる本屋」の店長時代、お店の看板猫がいたらな…なんて、よく妄想していました(実現はしませんでしたが!)。「好き」を仕事にできる猫カフェの開業は、本当に夢のあるチャレンジだと思います。

しかし、その夢を実現するためには、乗り越えなければならない、ちょっと難しいハードルがあります。それは、猫カフェ特有の許認可手続きです。

猫カフェは、お客様(ヒト)に飲食を提供すると同時に、猫(動物)と触れ合うサービスも提供しますよね。そのため、開業するには、なんと2種類の全く異なる許可・登録が必要になるのです。

  • ヒトのため保健所が管轄する「飲食店営業許可」
  • ネコのため都道府県または政令指定都市の動物愛護管理担当部署が管轄する「第一種動物取扱業登録(展示)」

「え、2つも!?なんだか大変そう…」 そうなんです。それぞれ根拠となる法律も、求められる条件も違います。今回は、この2つの関門を突破し、あなたの素敵な猫カフェをオープンさせるための手続きの流れと秘訣を、分かりやすく解説していきますね!


二人の守護神に認めてもらう必要性

なぜ、猫カフェには2つの許可・登録が必要なのでしょうか。それは、守るべき対象が二つあるからです。

① お客様の「食の安全」を守る保健所

まず、お客様にコーヒーや軽食を提供する以上、食中毒などを防ぐための衛生管理が不可欠です。これをチェックするのが、食品衛生法に基づく「飲食店営業許可」であり、担当は保健所です。厨房の設備や、手洗い場の設置など、ヒトの飲食に関わる部分の条件を審査します。

② 猫たちの「健康と福祉」を守る動物愛護管理担当部署

次に、お店で猫を飼養し、お客様と触れ合わせる(展示する)以上、動物たちが適切な環境で健康に暮らせるように配慮しなければなりません。これをチェックするのが、動物愛護管理法に基づく「第一種動物取扱業登録(展示)」です。担当は、都道府県または政令指定都市の動物愛護管理担当部署となります。自治体によって、保健所の生活衛生課、動物愛護センター、県庁の担当課など、窓口の名称や場所が異なりますので、必ず事前に確認が必要です。猫の飼養スペースの広さ、清掃・消毒の方法、休憩場所の確保など、動物福祉に関する条件を審査します。

この二人の守護神(保健所動物愛護管理担当部署)の両方から「OK!」をもらって初めて、あなたの猫カフェは開業できるのです。

▶ご参考:


1つのお店でどう両立?「区画分け」と「衛生管理」が鍵!

さあ、ここからが本番です。全く異なる2つの基準を、一つの物件の中でどうやって両立させるのか。その最大のポイントは「区画分け」と「衛生管理」です。

最重要ミッション:飲食スペースと猫スペースの明確な区画分け

保健所も動物愛護管理担当部署も、最も重視するのが「ヒトの飲食スペース」「ネコの生活・ふれあいスペース」が、衛生的にきちんと分けられているかという点です。

  • 物理的な仕切り:多くの場合、壁やガラス窓、二重扉などで、二つの空間を完全に区切ることが求められます。単なるパーテーションやカーテンでは不十分とされる可能性が高いです。
  • 相互の出入り:お客様が猫スペースから飲食スペースへ移動する際には、手洗い・消毒ができる設備が必要です。また、猫が厨房などの飲食提供エリアに絶対に入れない構造にしなければなりません。

この区画分けの具体的な方法は、お店の広さや構造、そして横浜市など各自治体の条例や指導によっても異なります。物件選びの段階から、この条件をクリアできるかを慎重に見極める必要があります。

ダブルスタンダードの衛生管理

衛生管理も、「ヒト基準」と「ネコ基準」の両方を満たす必要があります。

  • 厨房・飲食スペース飲食店営業許可の基準に基づき、シンクの数、手洗い設備、冷蔵庫、食器棚などを設置し、常に清潔に保ちます。当然、食品衛生責任者の設置も必要です。
  • 猫スペース:動物取扱業の基準に基づき、ケージやキャットタワーの清掃・消毒、猫用トイレの衛生管理、適切な温度・湿度管理、換気などを徹底します。
  • 従業員の衛生:猫と触れ合った後、飲食物を取り扱う際には、必ず手洗い・消毒を行う、エプロンを着替えるなどのルールを徹底します。

このダブルスタンダードの管理体制を、申請前の準備段階でしっかりと計画しておくことが、スムーズな手続きの鍵となります。


手続きの順番は?申請の流れと注意点

さて、お店の設計が見えてきたら、いよいよ申請手続きです。2つの申請・登録を、どの順番で進めるのが効率的なのでしょうか。

おすすめの申請フロー

一般的には、以下の流れで進めるのがスムーズです。

  1. 【最重要】物件契約「前」に、保健所と動物愛護管理担当部署の両方に事前相談! お店の図面(予定図)を持って、それぞれの窓口に行き、「この物件、このレイアウトで猫カフェの開業は可能か?」を確認します。必ず双方の窓口に相談し、両方からOKをもらうことが、すべての始まりです。
  2. 物件契約・内装工事:事前相談でのアドバイスに基づき、工事を進めます。
  3. 動物取扱責任者の選任・資格取得:後述する要件を満たす責任者を選任(または自身が資格取得)します。
  4. 食品衛生責任者の資格取得/確認
  5. 第一種動物取扱業の登録申請:管轄の動物愛護管理担当部署(保健所の生活衛生課、動物愛護センター、県庁の担当課など、自治体により異なる)へ。施設検査の日程を調整します。
  6. 飲食店営業許可の申請:管轄の保健所へ。こちらも施設検査の日程を調整します。
  7. 施設検査(両方):それぞれの担当者がお店を訪れ、基準を満たしているかチェックします。
  8. 登録証・許可証の交付:両方の検査に合格すれば、晴れて開業です!

申請のタイミングは、工事の進捗に合わせて、保健所と動物愛護管理担当部署とよく相談しながら進めるのが良いでしょう。費用は、飲食店営業許可申請と動物取扱業登録(展示)で、それぞれ15,000円〜20,000円程度かかるのが一般的です。(自治体により異なります)

ネコのプロ!「動物取扱責任者」の条件

第一種動物取扱業の登録には、各事業所に「動物取扱責任者」を必ず1名選任する必要があります。誰でもなれるわけではなく、以下のいずれかの条件を満たす必要があります(詳細は自治体にご確認ください)。

  • 獣医師免許
  • 愛玩動物看護師免許
  • 半年以上の実務経験 + 所定の学校等の卒業
  • 半年以上の実務経験 + 所定の資格等の取得

この要件を満たす人がいない場合は、登録申請自体が難しいため、開業準備の初期段階で必ず確認が必要です。

▶ご参考:横浜市 – 第一種動物取扱業の登録について


まとめ:2つの許可は、猫と人の「幸せな共存」の証

猫カフェの開業に必要な、「飲食店営業許可」「第一種動物取扱業登録」

  • 管轄:保健所と、都道府県・政令指定都市の動物愛護管理担当部署
  • 目的:ヒトの食の安全と、ネコの健康と福祉
  • :明確な「区画分け」とダブルスタンダードの「衛生管理」
  • 流れ:契約「前」に必ず両方の窓口へ事前相談!

手続きが2つある分、準備は確かに大変です。しかし、この2つの基準をクリアすることは、あなたの猫カフェが、お客様にとっても、そして大切な猫たちにとっても、安全で幸せな場所であることの証明に他なりません。

私が店長だった本屋でも、お客様が本を探しやすい「分かりやすさ」と、思わぬ発見がある「面白さ」の両立を目指していました。猫カフェも、ヒトの快適さとネコの幸せ、その両方を高いレベルで実現してこそ、長く愛されるお店になるのだと思います。

あなたの猫カフェが、たくさんの笑顔とゴロゴロ音で満たされる日を、心から応援しています。


猫カフェの開業は、物件の構造や地域(特に横浜市や川崎市などの首都圏)の条例によって、条件や必要な準備が大きく異なります。「この物件で区画分けは可能?」「動物取扱責任者の要件を満たせる?」など、難しいと感じる点や具体的なご相談がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。元店長として、そして行政手続きの専門家として、あなたの「猫と人の幸せな空間作り」を全力でサポートさせていただきます。

飲食店営業許可についてはこちらもご覧ください。


Warning

この記事は、2025年9月時点の情報に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されたものです。個別の事案に対する法的アドバイスではありません。飲食店の許可申請にあたっては、必ず最新の法令・条例をご確認の上、必要に応じて管轄の行政機関や専門家にご相談ください。

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    くりはら行政書士事務所

    代表:
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    -行政書士登録番号:24091288
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    ‐申請取次行政書士
    ‐著作権相談員

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