「メルカリでサクッと出品、ヤフオクで高値落札!」 スマホ一つで、自分の「目利き」をビジネスにできる。フリマアプリ時代のせどりやリセールは、本当に手軽で、夢がありますよね。
しかし、古物商の許可申請の準備を進めていると、必ず現れるのが「URLの届出」という項目。「え、メルカリのマイページのこと?」「そもそも、なぜそんなものが必要なの?」と、手が止まってしまった方も多いのではないでしょうか。
こんにちは!元「遊べる本屋」店長の行政書士、栗原です。僕が店長だった頃、街角にある物理的なお店の看板と同じくらい、ウェブサイトやSNSという「ネット上の看板」が重要でした。お客様は、その両方を見て、お店を信頼してくれるのです。
実は、古物商許可における「URLの届出」も、あなたのネット上のお店が「信頼できる看板」を掲げていることを、社会に示すための大切な手続き。
今回は、フリマアプリ時代の古物商許可において、多くの人がつまずくこのポイントを徹底解説!あなたのビジネスを守り、さらに飛躍させるための「賢いURL届出のやり方」をマスターしていきましょう。

なぜフリマアプリのURL届出が必要なのか?その2つの理由
まず、「面倒くさいな…」と思われがちな、この手続きの根本的な理由からご説明します。理由がわかると、納得感が全く違ってきますよ。
理由①:ネット上の「無店舗営業」を警察が把握するため
古物営業法という法律は、元々、街の古本屋さんやリサイクルショップのような、物理的な店舗(営業所)があることを前提に作られました。しかし、今や取引の主戦場はインターネット上。顔が見えない相手との取引が当たり前になりました。
したがって、警察署が、広大なネットの海で「どこで」「誰が」古物商として営業しているのかをきちんと把握し、盗品の流通などを防ぐために、この「URLの届出」が義務付けられているのです。これは、ネット時代の安全な取引環境を守るために不可欠なルールと言えます。
理由②:なりすましや詐欺を防ぎ、お客様を守るため
これが、あなたにとっても非常に大きなメリットになります。古物商許可の「URLの届出」を行うと、その届け出たサイト上で、許可情報(氏名や許可番号)を表示する義務が生じます。
つまり、お客様はあなたのプロフィールページを見て、「あ、この人はちゃんと警察署から許可を得てビジネスをしているんだな」と一目で確認できるのです。これが絶大な安心感と信頼に繋がり、結果としてあなたの商品が選ばれやすくなる、というわけです。
【プラットフォーム別】賢いURL届出のやり方と注意点
「理由はわかったけど、具体的にどのURLを届け出ればいいの?」 ここからは、具体的な賢いURL届出のやり方を、プラットフォーム別に見ていきましょう。
【図解】フリマアプリ別・届出URL早見表
申請書と一緒に提出する「URLなどを記載した書面」に、以下のURLを記載します。
プラットフォーム | 届け出るべきURL | URLの簡単な確認方法 |
メルカリ | あなたのプロフィールページのURL | アプリの「マイページ」→「プロフィールを編集」画面の上部にある共有ボタンからURLをコピーできます。 |
ヤフオク! | あなたの出品リストのページのURL | PCで「マイ・オークション」→「出品中」を開き、ブラウザのアドレスバーに表示されるURLをコピーします。 |
ラクマ | あなたのショップ(プロフィール)ページのURL | アプリの「マイページ(お店のアイコン)」→右上のメニューから「ショップ情報の確認・変更」などでURLを確認・コピーできます。 |
BASEなど | あなたのネットショップのトップページのURL | ご自身のショップを開き、ブラウザのアドレスバーのURLをそのままコピーします。 |
Instagramなど | あなたのプロフィールページのURL | 商品紹介や販売に使うアカウントのプロフィール画面を開き、共有機能などでURLをコピーします。 |
▶ご参考:警視庁 申請届出様式一覧(URLを届け出る別紙の様式もこちらで確認できます)
複数のサイトで営業する場合、全部届け出る必要ある?
結論から言うと、YESです! メルカリもヤフオクも、さらにインスタでも営業を行う場合、古物営業に使うサイトは、原則としてすべて届け出る必要があります。
許可申請書の「ホームページ等利用の有無」の欄で「用いる」を選択し、別紙に、利用するすべてのURLをリストアップして提出しましょう。
URLの届出後にやるべきこと – 「許可の見える化」で信頼度アップ!
そして、URLの届出は、申請して終わりではありません。むしろ、ここからがフリマアプリ時代の古物商許可を活かす本番です。
プロフィールページに「許可情報」を必ず記載しよう!
古物営業法では、届け出たウェブサイト上に、以下の3つの情報を表示することが義務付けられています。これを「許可の見える化」と呼びましょう。
- 古物商の氏名または名称(あなたの氏名や屋号)
- 許可をした公安委員会の名称(例:神奈川県公安委員会)
- 許可証の番号(12桁の番号)
【メルカリのプロフィール記載例】

いつもありがとうございます!店主の栗原です。
迅速丁寧な対応を心がけております。
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【古物商許可】
神奈川県公安委員会 第123456789012号
くりはら堂
この数行があるだけで、あなたはただのフリマユーザーから、法律を守る信頼できるプロの事業者へと変わるのです。
まとめ – ネット上の「看板」を、正々堂々と掲げよう
フリマアプリ時代の古物商許可において、「URLの届出」と「許可の表示」は、リアル店舗の営業所に標識を掲げるのと同じくらい重要な、「ネット上の看板」です。
つまり、これは面倒な手続きではなく、あなたのビジネスの信頼性を高め、お客様に安心を届けるための、非常に効果的なブランディングなのです。
▶ご参考:e-Gov法令検索 – 古物営業法
▶ご参考:神奈川県警察 – 古物営業
「私のこのアカウント、URLの届出は必要?」 「複数のサイトの届出方法が、具体的にどう書けばいいか分からない」
など、賢いURL届出のやり方で迷ったら、お気軽にご相談ください。あなたのネット上の大切な「看板」作りを、しっかりサポートさせていただきます。