【テイクアウト専門】ケーキ屋さんを開きたい!「菓子製造業許可」と厨房の絶対条件

こんにちは!行政書士の栗原です。

ショーケースに並んだ、宝石みたいにキラキラしたケーキ。箱を開けた瞬間の、あの甘い香りと笑顔…。自分の手で作ったケーキで、誰かを幸せにできるって、本当に素敵な夢ですよね。

私も「遊べる本屋」の店長時代、自分で選んだ本が誰かの宝物になる瞬間に立ち会うのが、何よりの喜びでした。「好き」をカタチにして、誰かに届ける。お店作りって、そういうことだと思うんです。

さて、あなたがもし「イートインスペースのない、テイクアウト専門のケーキ屋さん」を開きたいと考えているなら、開業準備で最初に知っておくべき重要なことがあります。それは、必要な営業許可の種類が、一般的なカフェとは違う、ということです。

多くの方が最初に思い浮かべるのは「飲食店営業許可」かもしれませんが、あなたの場合は、「菓子製造業許可」という、専門の許可が必要になります。今回は、この菓子製造業許可と、そのために保健所が求める厨房の絶対条件について、詳しく解説していきますね。


なぜ「菓子製造業許可」なの?飲食店営業許可との決定的な違い

まず、なぜテイクアウト専門のケーキ屋さんには「菓子製造業許可」が必要なのか。それは、保健所があなたのビジネスを「料理を提供する店」ではなく、「お菓子という製品を作って販売する工場(工房)」と見なすからです。

許可の目的の違い

  • 飲食店営業許可: お客様がその場で飲食することを前提とした許可。衛生管理の焦点は、調理から提供までの短い時間における安全確保に置かれます。
  • 菓子製造業許可: お客様が持ち帰って、後で食べることを前提とした許可。そのため、製造環境の衛生レベルや、製品の保存性・安全性に対して、より厳格な条件が求められます。

つまり、テイクアウト専門のケーキ屋さんは、「作ったものをすぐ食べてもらう」カフェとは異なり、「製品としての菓子を作り、販売する」という業態になるため、専門の菓子製造業許可の申請が必要になる、というわけです。この違いを理解することが、準備の第一歩です。

▶ご参考:神奈川県- 営業許可業種の見直しについて (※「菓子製造業」の詳細をご確認ください)


ここが違う!菓子製造業許可で求められる「厨房の絶対条件」

では、具体的に菓子製造業許可を取得するためには、どのような厨房(工房)が必要なのでしょうか。飲食店営業許可と共通する部分も多いですが、特に注意すべき「絶対条件」があります。

「区画分け」の徹底

これが最も重要なポイントです。保健所は、衛生的な作業を行う区域(例:ケーキのデコレーション)と、汚染の可能性がある区域(例:原材料の保管場所、洗い場)を明確に分けることを求めます。

  • 壁や間仕切りによる物理的な区画:単純なスペース分けだけでなく、壁や十分な高さのある仕切りで、作業エリアを明確に区切る必要がある場合が多いです。
  • 専用シンクの設置:食材用、器具洗浄用、そして従業員専用の手洗い設備は必須です。特に手洗い設備は、他のシンクとは別に、専用のものを設置する必要があります。

この「区画分け」の基準は、横浜市などの都市部や、神奈川県内、東京都内など地域によっても細かな運用が異なるため、物件を決める前の保健所への事前相談が非常に重要になります。

その他の重要設備

  • 十分な広さの作業スペース:製造する菓子の種類や量に応じた、衛生的な作業スペースが必要です。
  • 原材料・製品の保管設備:常温、冷蔵、冷凍など、適切な温度管理ができる保管庫が必要です。
  • 器具の洗浄・消毒設備:十分な大きさのシンクに加え、給湯設備も必須です。
  • 更衣スペース:従業員が衛生的に着替えるための専用スペースも求められることがあります。
  • 適切な床・壁・天井:耐水性で清掃しやすい材質であること。
  • 換気設備:オーブンなどを使用する場合、十分な換気能力が必要です。

これらの条件を満たす厨房を作る費用は、決して安くはありません。だからこそ、物件探しの段階から、これらの設備要件を念頭に置いておくことが、開業計画全体の成否を分けるのです。


許可申請の「流れ」と注意点

厨房のイメージが固まったら、いよいよ申請に向けた準備です。

  1. 保健所への事前相談【最重要】:厨房の設計図を持って、管轄の保健所(横浜市なら各区の福祉保健センター生活衛生課など)へ行きます。「この物件、このレイアウトで菓子製造業許可は取れますか?」と確認します。ここで条件を満たせないと判断されれば、計画の練り直しが必要です。
  2. 物件契約・内装工事:保健所のアドバイスに基づき、厨房設備を整えます。
  3. 食品衛生責任者の資格取得:まだの方は取得しましょう。
  4. 申請書類の提出:申請書、厨房の図面、食品衛生責任者の資格証明書などを提出します。費用(申請手数料)も支払います。(例:横浜市では16,000円)
  5. 施設検査:保健所の担当者が実際に厨房を訪れ、図面通りか、衛生基準を満たしているかをチェックします。
  6. 許可証の交付:検査に合格すれば許可証が交付され、あなたのケーキ屋さんが開業できます!

この一連の流れは、飲食店営業許可とほぼ同じですが、「菓子製造業」特有の設備条件があるため、事前相談の重要性がより高まります。「これくらい大丈夫だろう」という自己判断は禁物です。

▶ご参考:横浜市 – 食品衛生手関係


まとめ:美味しいケーキを届けるための、大切な「土台作り」

テイクアウト専門のケーキ屋さんに必要な「菓子製造業許可」飲食店営業許可とは少し違う、専門的な厨房条件が求められることをご理解いただけたでしょうか。

  • テイクアウト専門なら「菓子製造業許可」
  • 厨房は「区画分け」が絶対条件
  • 物件契約「前」に、必ず保健所に図面相談

これらのポイントを押さえることが、あなたの美味しいケーキを、安全にお客様へ届けるための、そしてあなたの夢のお店を長く続けるための、大切な「土台作り」になります。

私が店長だった本屋でも、どんなに面白い本を仕入れても、棚がグラグラだったらお客様は安心して本を選べませんよね。お店作りは、見えない部分の準備こそが、実は一番大切なのかもしれません。

あなたの素敵なケーキ屋さんが、街の人気者になる日を楽しみにしています。



お店の規模や製造するお菓子の種類、物件の状況によって、必要な設備や手続きは異なります。特に横浜市や川崎市など、首都圏では独自の条件が設けられている場合もあります。「この厨房で大丈夫?」「費用はどれくらい?」など、具体的なご相談やご不安な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。元店長として、そして行政手続きの専門家として、あなたの「美味しい夢」の実現を全力でサポートさせていただきます。

飲食店営業許可についてはこちらもご覧ください。


Warning

この記事は、2025年9月時点の情報に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されたものです。個別の事案に対する法的アドバイスではありません。飲食店の許可申請にあたっては、必ず最新の法令・条例をご確認の上、必要に応じて管轄の行政機関や専門家にご相談ください。

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    くりはら行政書士事務所

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    -行政書士登録番号:24091288
    ‐神奈川県行政書士会 緑支部所属
    ‐申請取次行政書士
    ‐著作権相談員

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