こんにちは!行政書士の栗原です。
深夜まで語り明かせるバー、仕事帰りに一杯飲めるラーメン屋さん、夜更かしウェルカムなカフェ…。考えただけで、ワクワクしますよね。自分のお店を開くなら、お客様が時間を忘れて楽しめる、そんな空間を作りたい。その気持ち、すごくよく分かります。
しかし、深夜にお酒を出すお店の開業準備を進めていると、ふと、こんな疑問が頭をよぎります。
「あれ、うちの店って、警察に何か届出が必要なんだっけ…?」
そう、この手続き、実は必要なお店と、そうでないお店があるんです。このルールがまた、少しややこしい。 私が「遊べる本屋」の店長だった頃、よく雑誌の付録についていた「性格診断チャート」を作るのが好きでした。そこで今回は、あなたの未来のお店が警察への届出が“必要”か“不要”か、一発で分かるYES/NO診断チャートを作ってみました!
難しい法律の話は後回し。まずは3分、この診断でサクッと解決しちゃいましょう!

【診断スタート】あなたの店はどっち?深夜のお酒と警察届出YES/NOチャート
さあ、いくつかの簡単な質問に「YES」か「NO」で答えていくだけで、あなたのお店に必要な手続きが分かります。心の準備はいいですか?

チャートの結果を深掘り!「必要」と「不要」の境界線
さて、あなたの診断結果はどうでしたか?ここからは、なぜこのような結果になるのか、少しだけ詳しく解説しますね。
結果が「届出が必要」だったあなたへ
あなたの選んだ道は、「深夜0時以降に、お酒をメインとして提供するお店」でしたね。これは、バーやスナック、お酒が中心のダイニングバーなどが該当します。
この場合、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に基づき、営業を開始する10日前までに、お店の場所を管轄する警察署へ「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」を提出する必要があります。これは許可ではなく届出ですが、お店の構造や場所にはいくつかの条件があります。
- 場所の条件:住居専用地域など、原則として営業できないエリアがあります。物件探しの段階で要注意です。
- お店の構造の条件:客室の内部に見通しを妨げる設備がない、客室の出入口に鍵をかけられない、店内の明るさが暗すぎない、など。
▶ご参考:e-Gov法令検索 – 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
結果が「届出が原則不要」だったあなたへ
あなたの選んだ道は、「深夜0時より前に営業を終える」か、「深夜も営業するけれど、ラーメンや定食といった『主食』を提供している」お店でしたね。
風営法では、「主食と認められる食事を提供しているお店」は、深夜にお酒を出していても、この届出の対象外とされています。夜食を食べに来たお客様が、一緒にビールやハイボールを一杯楽しむ。そんなお店は、わざわざ届出をしなくても大丈夫、というわけです。
ただし、一つだけ大きな注意点があります。 それは「接待」です。たとえ主食を提供していても、お客様の隣に座ってお酌をしたり、カラオケでデュエットをしたりする「接待行為」を行うと、このルールは適用されません。その場合は、さらに難しい手続きである「風俗営業許可」の申請が必要になりますので、混同しないようにしましょう。
「届出が必要」だった場合の、次なるステップ
もしあなたの診断結果が「届出が必要」だった場合、具体的な手続きの流れは以下のようになります。
- 警察署へ事前相談:お店の図面などを持って、管轄の警察署の生活安全課に相談に行きます。
- 書類の準備:住民票やお店の図面など、必要な書類を揃えます。費用として、図面作成を専門家に依頼する場合はその分の実費がかかります。
- 届出書の提出:すべての書類が揃ったら、警察署へ提出します。
- お店の実査:警察署の担当者がお店を訪れ、図面通りかなどを確認します。
- 営業開始:届出から10日後以降、営業を開始できます。
この流れを見て「なんだか大変そう…」と感じた方も、ご安心ください。飲食店営業許可の申請などに比べれば、準備する書類はそこまで多くはありません。
▶ご参考:神奈川県警察 – 深夜酒類提供飲食店営業
まとめ:迷う時間を、夢を語る時間へ
今回の深夜にお酒を出すお店の診断、いかがでしたか?
「自分の店は届出が必要なのか?」と一人で悩み続ける時間は、とてももったいないものです。この診断チャートで、あなたの進むべき道がクリアになっていれば、こんなに嬉しいことはありません。
私が店長だった頃も、難しい法律の手続きに頭を悩ませるより、どうすればお客様がもっと喜んでくれるか、仲間と語り合う時間の方がずっと好きでした。
さあ、ややこしい手続きの疑問はサッと解決して、あなたの貴重な時間を、最高の一杯や、心に残る一皿を考えるために使ってくださいね。
お店のコンセプトや物件の状況、提供するサービスの内容によって、必要な届出や許可は変わってきます。「うちは接待にあたるのかな?」「図面の作成が難しい…」など、具体的なご相談やご不安な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。元店長として、そして行政手続きの専門家として、あなたの「夜に輝くお店作り」を全力でサポートさせていただきます。