【せどり・リセールビジネス実践者必見!】古物商許可アリとナシ、ビジネスとリスクの境界線

「ブックオフで見つけたレアな初版本、メルカリで売ったら予想以上の利益に!」 「スニーカーズで当選した限定モデル、リセールサイトでプレ値で売れた!」

その瞬間、アドレナリンが出ますよね。自分の「目利き」が価値に変わる。せどりやリセールビジネスの醍醐味です。

でも、その興奮の片隅で、ふとこんな不安がよぎりませんか? 「これって、続けてて本当に大丈夫なのかな…?」 「古物商許可って本当に必要? どこからがアウトなんだろう?」

こんにちは!元「遊べる本屋」店長の行政書士、栗原です。僕のお店も、ある意味では「これは面白い!」と目利きで仕入れた本や雑貨の価値を、次の誰かに繋ぐリセールビジネスでした。だからこそ、その楽しさと、ビジネスとして守るべきルールの重要性を、誰よりもリアルに感じています。

今回は、そんなあなたの長年の疑問に終止符を打ちます。適法なせどりと、危険な無許可営業。その「ビジネスとリスクの境界線」を、法律に基づいて白黒ハッキリさせましょう!

結論ファースト!許可が「必要」か「不要」かを分ける、たった一つの原則

まず、様々なケースの前に、古物商許可が必要になる大原則をお伝えします。それは、

「“転売して利益を得る目的”で、“一度使用された物品(古物)”を“買い取って”販売するかどうか」

です。この文章を3つのパーツに分解すると、ビジネスとリスクの境界線が驚くほどクリアになります。

  1. “転売して利益を得る目的”があるか? → 自分で使うために買ったけど不要になったモノを売るのは、目的が違うのでセーフです。
  2. “一度使用された物品(古物)”か? → メーカーから直接仕入れた「新品」を売るのは、そもそも古物ではないのでセーフです。
  3. “買い取って”いるか? → 友人からタダでもらったモノを売るのは、「買取」ではないのでセーフです。

つまり、この3つの条件がすべて揃った時、あなたのビジネスは古物商許可が必要な領域に入ります。

【実践編】あなたのビジネスはどっち?具体的なケースで見る境界線

「原則はわかったけど、自分の場合はどうなの?」と思いますよね。ここでは、具体的なケースをもとに、「古物商許可アリとナシ」の境界線をさらに詳しく見ていきましょう。

【図解】「古物商許可アリとナシ」境界線マップ

⬅️ こちらは許可が【不要(ナシ)】の安全な道

  • 自分の不用品をフリマアプリで売る (例:サイズが合わなくなった服、読み終わったマンガ全巻セットなど)
  • メーカーや正規卸問屋から「新品」を仕入れて販売する (これは「古物」の取引ではありません)
  • 友人から無償で譲り受けた家具を売る (「買い取り」が発生していません)
  • 自分で海外旅行中に現地のマーケットで買ってきた雑貨を売る (日本の古物営業法は国内の取引が対象です)

➡️ こちらは許可が【必要(アリ)】のリスクがある道

  • リサイクルショップや古本屋で商品を仕入れて転売する (典型的なせどり。利益目的の買取なので許可が必要です)
  • フリマアプリで安く買った商品を、利益を上乗せして転売する (これも立派な古物営業です)
  • 抽選で当たった限定スニーカーを、一度も履かずに定価以上で転売する 【要注意!】たとえ新品・未使用でも、一度消費者の手に渡ったものは法律上「古物」と扱われます。これを転売目的で買い集める行為は、許可が必要です。
  • 知人から「代わりに売って」と頼まれ、手数料をもらって販売する (委託販売も古物営業に該当し、許可が必要です)

このように、「古物商許可アリとナシ」の判断は、身近な取引の中に潜んでいます。

「許可ナシ」の道を進み続けることのリアルなリスク

では、もし許可が必要なのに、取得しないままビジネスとリスクの境界線を越えてしまったら、どうなるのでしょうか。

リスク①:ある日突然、警察からの連絡

無許可営業が発覚するきっかけで多いのは、盗品捜査の過程や、ライバル・顧客からの第三者通報です。警察署から連絡が来た時点で、平穏な日常は終わりを告げます。

リスク②:ビジネス生命の終わり – 罰則とアカウント停止

法律で定められた罰則は「3年以下の懲役または100万円以下の罰金」と非常に重いものです。さらに、プラットフォーム運営会社に違反が伝われば、アカウントは永久停止に。あなたのビジネスはその瞬間に終わりを迎えます。

▶ご参考:e-Gov法令検索 – 古物営業法

リスク③:未来への足枷 – 5年間は再起不能に

万が一、罰金刑以上の処罰を受けると、あなたは「欠格事由」に該当します。その結果、5年間は古物商許可を申請することすらできなくなり、再起への道が完全に閉ざされてしまうのです。

「許可アリ」の道で拓ける、せどり・リセールビジネスの未来

一方で、古物商許可を取得するという「正しい道」を選べば、あなたのビジネスには明るい未来が拓けます。

  • 堂々と、そして大規模に仕入れができる 古物市場(プロの業者だけが参加できるオークション)への参加資格が得られ、仕入れの量も質も劇的に向上します。
  • 「信頼」という最強の武器を手に入れる 許可番号をウェブサイト(URLの届出が必要)やプロフィールに記載するだけで、お客様からの信頼度は格段にアップします。高額なリセール品ほど、この効果は絶大です。
  • ビジネスを「事業」として成長させられる 融資を申し込む際や、法人化する際にも、遵法意識の証明となり、社会的信用度が上がります。せどりを単なるお小遣い稼ぎで終わらせないためのパスポートです。

▶ご参考:警視庁 – 古物商Q&A

まとめ – リスク回避は、未来への最高の投資である

古物商許可アリとナシ」。その違いは、目先の利益や手間を優先するか、長期的なビジネスの成長と安全を選ぶかの違いです。

古物商許可の申請は、面倒なコストではありません。あなたのビジネスを理不尽なリスクから守り、未来の可能性を拓くための、最高の「投資」なのです。「ビジネスとリスクの境界線」を正しく理解し、賢く、そして確実にビジネスを成長させていきましょう。

▶ご参考:神奈川県警察 – 古物営業


「私のこのやり方は、境界線のどちら側なんだろう?」 「許可が必要なのはわかったけど、何から始めれば…?」

もし判断に迷ったら、警察署に駆け込む前に、まずは一度ご相談ください。あなたのビジネスモデルに合わせた最適なアドバイスをさせていただきます。

古物商許可申請についてはこちらもご覧ください。


Warning

この記事は、2025年6月時点の情報に基づき、一般的な情報提供を目的として作成されたものです。個別の事案に対する法的アドバイスではありません。古物商の許可申請にあたっては、必ず最新の法令・条例をご確認の上、必要に応じて管轄の行政機関や専門家にご相談ください。

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    -行政書士登録番号:24091288
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    ‐著作権相談員

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